〈第28回〉足の健康について考えていますか?

「#KuToo」から考える、ビジネスでの靴選びのポイント

「#KuToo」から考える、ビジネスでの靴選びのポイント

「人の印象の専門家」の吉武利恵です。

今月発表された今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」で「#KuToo(ハッシュタグ・クーツー)」がトップテン受賞語に選ばれたのは記憶に新しいところです。

ライターであり、女優である石川優実氏により、2019年1月24日のTwitterで「職場でハイヒールの着用を女性に義務づけることは許容されるべきではない」と述べたことが、数千回に及び、リツイートされました。そこから、職場で女性がハイヒールやパンプスの着用を強制しないでほしいと呼び掛けた署名活動「#KuToo」という社会運動が始まりました。約2万を超える賛同者の署名を集め、イギリスBBC放送が選ぶ、世界の人々に感動や影響を与えた「今年の100人の女性」に石川氏も選ばれています。

「#KuToo」は、「#MeToo」と「靴」「苦痛」を掛け合わせた新しい言葉です。石川氏は、履きたい靴を自由に選べることを求めており、ヒールを否定しているわけではない、とも語っています。

服装規定の変化から感じる時代の変化

服装規定の緩和や自由化を発表する企業が増えています(この連載でも取り上げていますので、「〈第25回〉ビジネスのドレスコードが変わり始めた!「失敗しないポイント」を紹介」も併せてお読みください)。そして、服装規定の男女差を無くす、もしくは差を少なくする企業も出てきました。幾つかご紹介しましょう。

日本航空が100%出資するLCC「ZIPAIR(ジップエア)」は19年4月にパイロットを含めて、白と黒のスニーカーを採用しました。女性の制服はスカートやパンツ、ワンピースなどのアイテムから自由に組み合わせられるようになっています。スニーカーの採用理由は、長時間立っていたり、広い空港を走らなければならない業務であるため、疲労感の軽減やパフォーマンスを出しやすいこと、時代の流れもあるがライフスタイルを象徴できるものとして採用したようです。

JR東日本も20年5月1日より、男女の性差を無くすことを意識して女性限定で用意していたスカートやリボン型のネクタイを廃止し、パンツスタイルに変更。女性の帽子は「チロリアンハット型」でしたが、男性が被っている「官帽型」も選べるようになるようです。KDDIも19年10月から、服装規定を廃止。今後は、会社としては「最低限のマナーとして社内外の人に不快感を与えないこと」などのみを定め、部署ごとの業務内容に応じて対応するようです。

服装規定の緩和や自由化は、時代の流れを反映する動きの一つといえます。今までの日本企業は細かいルールを設け、性別でルールを変えていました。もちろん、ルールがあることのメリットもあります。それは組織のメンバーとしての統一感が出せること。会社指定のものだけ着ていれば良く、自分で考えなくて済むので「楽」という方もいます。

今の時代の流れから考えると、今後も服装規定の緩和や自由化は加速していきそうですが、ビジネスの現場の服装が自由になってカジュアルな服を着用してよいというのは、自分勝手に好きな服を着用してもよいというのとは少し違います。

ビジネスの場面で選ぶべき服装は、①自分らしい、②周りも心地いい、③仕事のパフォーマンスが出せる、④安全、な服や靴。仕事にメリットがある装いがとても大切です。

ビジネスで一番求められる好印象は「信頼」ですが、自分の印象は対応する相手の評価で決まるもの。相手の感情が評価を左右するので、相手目線を忘れずに選択する必要があるわけです(今までよりも、服や靴を自分で考えて選ぶ時代に突入したようです)。

どんなに仕事ができたとしも、「不誠実」「不潔」な印象は、割り引いた評価になりかねないので気を付けてください。

・不誠実な印象の服装:「自分の職務に合っていない」「お客さまやメンバーに違和感を感じさせる」「企業イメージに合っていない」など

・不潔な印象の服装:「汚れている」「臭い」「毛玉だらけ」「ボタンが取れているor取れかけている」「破れやほつれたまま放置している」など

どんな靴がお薦め?気になる疑問を専門家に聞いた

今回は、足と靴をテーマに、元看護師で、現在は横倉クリニックで「足と靴の健幸サロン」のフットバランス調整師として活動されている野村佳南さんに「足と靴」について聞いてみました。野村さんはハイヒールマイスターとしてご自身のサロン「UNLEASH」では体に合せたオーダーメイドインソール調整、シューズ企画、ウォーキング指導など、足元から健康な体づくりを指導されています。

足と靴の専門家、ハイヒールマイスター野村佳南

足と靴の専門家、ハイヒールマイスター野村佳南(Nomura Kana) https://www.bijinjiku.com/ https://www.kenkogairai.com/personal/footbalance.html

どんな靴がお薦め?気になる疑問を専門家に聞いた
吉武:「足や靴の悩みで多いものは何でしょうか?」

野村:「ヒールのある靴を履く女性なら、足が疲れる、痛み、指の変形、歩きにくい、むくみ、冷えが多いですね」

吉武:「女性でも男性と同じフラットシューズを履いている方もいます。フラットシューズを履いている方でも足や靴のお悩みはありますか?」

野村:「はい。足の疲れ、足裏が痛い、親指や小指が当たって痛い、中には激痛で歩けない方、靴ずれ、むくみ、冷えなどです。O脚や扁平足、外反母趾などのご相談も男女問わずあります」

吉武:「ここは、男性にも当てはまる悩みですね。では、足が痛くなる原因を教えてください」

野村:「靴で足が痛くなる原因は主に3つあります。1つはサイズが違う靴を履いていて、足の形に合っていないこと。次に、歩き方の問題と筋力不足。最後は靴の構造や質の問題です」

吉武:「自分のサイズに合った靴をどうやって選べばいいですか?」

どんな靴がお薦め?気になる疑問を専門家に聞いた野村:「正しい足のサイズを知る必要があります。自分のサイズを測ったことがある人はとても少なくて、靴を履いた時の感覚でサイズを選んでいる方が多いのが現状です。当店に来るお客さまの約9割の方が実寸と違うサイズの靴を履いていました。正しいサイズを知るには足の縦の長さだけでなく、親指と小指の付け根を結んだ横幅も重要です。

足の長さを基準に、ご自分の足幅が細身か太身か知ることが大切です。足や靴の悩みを抱える方の多くは細身の方が多いのですが、市販で売られているものは万人が履けるように幅の太いものが中心。靴の中で足が動く、かかとが脱げやすい場合は、靴の幅が太い可能性があります。細身の方には、細身の木型が多いイタリアやスペインの靴をお薦めしています。最近、百貨店や大手靴メーカーでは細身の靴を取り扱うお店も増えてきているので参考にしてください」

吉武:「次に、自分の足の形に合った靴を選ぶポイントを教えてください」

野村:「足の形は、人差し指が長いタイプの『ギリシャ型』、各指の長さがほぼ同じ長さの『スクエア型』、親指が長いタイプの『エジプト型』に大きく分かれます。ギリシャ型には、先のとがったポインテッドトゥや少し丸みのあるアーモンドトゥがお薦めです。スクエア型は、指が圧迫され外反母趾やハンマートゥの原因となる可能性が強いのでスクエアタイプの靴がお薦めです。エジプト型には、先端が丸いラウンドトゥと親指から小指にかけて斜めにカットされたオブリークトゥがお薦めです」

つま先の形

吉武:「私はエジプト型ですね。かっこいいポインテッドトゥを履きたくて買いますが、痛くて、長時間履いていられないのは、足と靴の形が合っていないためだったんですね。ところで、正しい歩き方を自分でチェックする方法はありますか?」

野村:「そうですね。例えば、靴の裏の減り具合で分かります。特にかかとの減り具合は、歩き方の癖を著明に現しているのでぜひチェックしてみてください。あと、これは独自のチェック方法ですが、へその前で手を握手した状態で歩きます。目をつぶって後ろ歩き(後退)した時に怖さや歩きにくさを感じたり、真っすぐ後退できていない場合は体にゆがみが生じているだけでなく、正しい歩行のための足運びができていないといえます。周りの安全を確認した上でぜひチェックしてみてくださいね」

どんな靴がお薦め?気になる疑問を専門家に聞いた

「避けた方がいい靴」の見極め方

吉武:「避けた方がいい靴の構造や質があれば教えてください」

野村:「私たち専門家のいう履きやすさとは。着脱のしやすさではなく、足へのフィットを指します。着脱しやすいものはゆる過ぎて、靴の中で足が遊んでしまい、足にさまざまなトラブルが起こるので要注意です。もし、ヒールのある靴の場合は、自立して立たない靴や、傾いているものは避けましょう」

「避けた方がいい靴」の見極め方

野村:「どの靴にも共通していえるのは『カウンター(かかとの芯)』の硬さです。足部の骨で一番大きい骨は踵骨です。人は歩くときにかかとから着地するので、この骨を固い芯が支えることで歩行が安定しやすくなります。よく、かかとが外や内につぶれた靴を履いている人がいます。

「避けた方がいい靴」の見極め方

これは靴のサイズが大き過ぎるためか、かかとに芯が入っていない靴、または軟らかい芯の靴で着地時の足の動きをサポートできていないことが理由として考えられます。芯はヒール靴の方が入っているものが多いので、『芯の固いもの=痛みの原因』という考え方は間違いです。かかとが脱げやすい人は、かかとの後ろ側の丸みが靴の丸みよりも浅く、ホールドされずに脱げやすくなっている。これは靴ずれの原因になります。最近のスニーカーは見た目と履きやすさの重視により、質がかなり低下しているものもあります。スニーカー選びの際にもぜひ参考にしてください

踵の丸みが浅い方の足吉武:「靴選びの時に前から見るだけでなく、かかとの傾き加減もチェックすると良さそうですね。ここは自分では見れない部分なので、誰かに見てもらわないといけませんね」

野村:「そうですね。靴を履いて、歩くときにかかとが傾いていないか確認してもらうのがベストです」

吉武:「足のバランスが悪いと、どんな悪影響があるのでしょうか?」

野村:「人間は二足歩行をするため、歩行時に体にかかる衝撃を吸収するアーチが足裏に3つあり、このアーチがカメラの三脚のよう体を支えています。足のバランス低下とは、この三脚の機能が衰えてしまうことです。今はまだ症状がなくても、足のバランス悪化が原因で腰や肩こり、姿勢の悪さの原因になっている人がほとんどです。O脚や扁平足、外反母趾などの足のトラブルも足のバランスが悪いことで生じています。足のバランスを整えるだけで、足のお悩みだけでなく体のお悩みも解決してしまうこともあります。足はとても大切な部分。ご自分の足の特徴を知り、正しい靴選びができるとヒールのあるなしにかかわらず、ずっと体への負担を減らすことができますよ」

吉武:「体への負担が減るのはうれしいですね。野村さん、ありがとうございました」

今回は野村さんに「ヒール靴~フラットな靴の選び方のポイント」を教えていただきましたが、いつまでも健康で歩けることの大切さを改めて感じました。

子供から高齢者まで、全ての世代の方々にとって靴はとても大切な健康アイテム。健康であることで、ビジネスパーソンもパフォーマンスを最大化できるので、ぜひ靴選びの参考にしてください。

最後まで、お読みくださいまして、誠にありがとうございました。日々の振る舞い、発言、行動の積み重ねが、あなたの印象をつくります。本来のあなたのポテンシャルに近づくために、印象で損しないために、ぜひ、印象のセルフマネジメントを一緒に意識し続けていきませんか?

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