〈第16回〉日本の年越し「お正月」を知る

教養アップで印象アップ!

教養アップで印象アップ!

「人の印象の専門家」の吉武利恵です。

日本の年中行事は、長い歳月を経て私たちの生活の中で伝えられてきました。

しかし、最近では生活スタイルが変わり、年中行事も簡略化されてきているのを感じます。「なぜ、それを行うのか」「どんな意味が込められているのか」など、それを行う理由を知らなければ、時間経過とともに行う必然性は薄くなっていき、いつか、消滅してしまうかもしれません。

日本の年中行事の意味付けには、諸説あり、解釈も幾つかあります。どれが正しいかは解釈する人によりさまざまです。しかし、その1つの解釈の意味すら知らないのと1つは知っているのでは、教養という観点の印象は全く異なります。

日本人として、日本文化の教養や知識を持つことも必要ではないでしょうか? ただの年越しではないのが日本の「お正月」。今回はこの「お正月」を取り上げてまいります。

「門松」の意味、分かっていますか?

●お正月:お正月は1月のことです。その年の「歳神様(としがみさま)」が日の出と共に、家々を訪れて、祝福を与えてくれる特別な行事です。1月1日の元旦は、四方節という節句であり、祝日です。

●お正月までの準備:年末までに、すす払いでお家をきれいに掃除して、正月飾りをして、歳神様をお迎えする準備をします。

●正月飾り「門松」:常緑樹や松が歳神様が降り立つ場所になります。29日は「苦飾り」、31日は「一夜飾り」といわれ避けられているので、12月28日までに飾ります。飾る場所や飾る種類など、地域独自の風習もあるので、その土地のしきたりを調べてみてくださいね。近年、会社やビルの入り口に飾る門松は、おめでたい「松竹梅」の3種を飾るものが増えてきました。

●正月飾り「しめ縄(注連縄)」:歳神様に入っていただく入り口の印としてしめ縄を飾ります。歳神様は穀物・農業の神様です。その年の新しい稲が付く藁(わら)でしめ縄を作ります。飾る時期は門松同様に、28日までに飾ります。お正月のめでたさを表す縁起物の装飾飾りが付いたものは、江戸時代から販売されるようになりました。

そして、現在、スーパーマーケットなどで販売されているしめ縄の縄部分の素材は、中国産の水草が利用されているのをご存じでしょうか? 穀物神の歳神様をお迎えする入り口の目印は稲藁(いなわら)を使ったしめ縄飾りが基本です。水草は雑草なので、水草が入り口の役目を本当に果たしてくれるかは疑問ですね。

しめ縄をつくるワークショップに参加しました!

しめ縄プロジェクトそんな疑問を解決すべく、一般社団法人国際教養振興協会が2012年から「しめ縄プロジェクト」を発足させています。

日本でしめ縄用の稲藁栽培は中国の水草に押され、神事で利用する一部しか生産されていません。

代表の東條英利(とうじょうひでとし)さんこの「しめ縄プロジェクト」では、神事用で使う穂が出る前の8月に収穫したもち米の稲藁を作ってもらい、全国でしめ縄を作るワークショップを開催しています。

しめ縄作りのワークショップの前には、代表の東條英利(とうじょうひでとし)さんのお正月講座で、面白く日本文化を分かりやすく教えていただけます。

私も川崎の稲毛神社で開催した「しめ縄プロジェクト」に参加して、お払いをしていただいた稲藁でしめ縄を作ってきました。

しめ縄2012年20人から始まった本プロジェクトは、日本のみならず、海外でも開催され、今年1000人を超える参加者になる予定です。2018年は12月24日まで開催予定とのことです。お近くの方はぜひ、日本文化に触れてみてはいかがでしょうか?

そして、この「しめ縄プロジェクト」は2019年も継続と聞いております。学校、団体、神社、町おこしなどでも開催が可能です。ご興味ある方は、ぜひ来年ご参加ください。

お節は節句の祭りに用いるお供え料理です

●正月飾り「鏡餅」:鏡餅はお供え餅とも言われ、歳神様への供物です。大小の丸い餅を2段に重ね、家の神棚や床の間に置き、歳神様にお供えします。 歳神様にお供えした鏡餅を1月11日に下ろして食べる行事が「鏡開き」です。

●お年玉とお年賀:歳神様の魂が宿った鏡餅を目上の者が目下に分配して贈ったのが「お年玉」です。現代はお餅がお金に変わりました。両親や目上に贈るものを「お年賀」と言います。

●屠蘇(とそ):5~10種類の薬草を入れたお酒を飲むことで、邪気を払い、長寿を祝う祝い酒です。

<屠蘇に入れるもの>

・白朮(ビャクジュツ):キク科オケラもしくは、オオバナオケラの根。
・山椒(サンショウ):サンショウの実。
・桔梗(キキョウ):キキョウの根。
・肉桂(ニッケイ):シナモン。
・防風(ボウフウ):セリ科ボウフウの根。

これらを含めて5~10種類を入れます。

●お雑煮:元々は、歳神様にお供えしたお餅や野菜を下げて、煮込んでいただきました。味付けや具の種類は地域によってさまざまあります。

●お節(おせち):節句の祭りに用いるお供えの料理です。供物として捧げた後に、それを一同で頂くことにより、神様と人が食事を楽しむための料理といえます。現代はお正月の食べものだと思われている方が多いことでしょうね。お節料理の代表は、子孫繁栄の「数の子」や「伊達巻」「里芋」、人の先頭に立つ「頭芋」、まめに1年過ごせる「黒豆」、豊作を祈る「田作り」、喜ぶという「昆布巻き」、紅白の水引「なます」など、5品、7品の奇数で重箱に詰めます。

「春の七草」きちんと言えますか?

●初詣:住居より離れた土地にあっても、個人の信仰から自分の好きな神社のことを「崇敬(すうけい)神社」といいます。そして、自分が住んでいる土地の神様が祭られているのが「氏神神社」です。崇敬神社だけでなく、ぜひ1年の感謝を氏神神社にも伝えに行きましょう。

●神社参拝:まず、「手水舎」で心身を清めることが大切です。右手で柄杓を取り、清水を汲み、左手にかけ、柄杓を左手に持ち替えて右手にかけます。再び柄杓を右手に持ち替えて左の掌に水を入れて口をすすぎ、左手に水をかけ清めます。最後に柄杓の柄に水が伝わるように手前に柄杓を立て、柄杓を清めて終了です。

参道の真ん中は神様のお通りになる道なので、真ん中を避けて歩きましょう。お賽銭はお願い事をするためのものではなく、御礼の気持ちを込めて賽銭箱に入れるようにしましょう。神拝は二礼二拍手一礼です。

●七草粥:1月7日は人日という節句で、無病息災を願って七草の粥を食べる行事です。

<春の七草>

1.芹(セリ):消化を助ける

2.薺(ナズナ):視力、内臓の働きを良くする

3.御形(ゴギョウ):吐き気、痰、解熱に効く

4.繁縷(ハコベラ):歯肉の腫れ、利尿作用に効く

5.仏の座(ホトケノザ):歯痛に効く

6.スズナ:カブのこと。消化促進に効く

7.蘿蔔(スズシロ):大根のこと。胃・神経痛に効く

冬の体調を整える効果を持った草をいただきます。

●小正月:1月15日が小正月といわれ、正月飾りを焼く「どんと焼き」が行われます。年賀状も出し終えて、お正月をしめくくります。

行事やいわれを感じながら平成最後のお正月を!

心せわしくなる年の暮れですが、12月13日あたりから、すす払いなどのお正月準備に入ります。

平成最後の歳神様をお迎えするお正月に、行事やいわれを改めて感じながら、丁寧にお正月の準備をしてみてはいかがでしょうか?

最後まで、お読みくださいまして、誠にありがとうございました。日々の振る舞い、発言、行動の積み重ねが、あなたの印象をつくります。本来のあなたのポテンシャルに近づくために、印象で損しないために、ぜひ、印象のセルフマネジメントを一緒に意識し続けていきませんか?